OMOIとは

OMOIとは、岡山の獣医師達が「オモイをカタチに」するために起ち上げた事業体です。

小動物の命を預かる獣医師は、さまざまな思いを胸に、日々臨床にあたってきました。
しかし、今、そんな一人一人の思いは、あらがいようのない大きなうねりの中に
呑み込まれそうな時代となり、私たちはかつてない危機感を覚えています。
流されたくない。見失いたくない。臨床獣医師の誇りと未来を自分達で守りたい。
そんな思いが出会いの中で呼応して、一人の思いはみんなのOMOIになりました。
OMOIは診療連携やリクルート、学術交流など、さまざまな活動を展開していきます。

メンバー紹介OMOI MEMBERS

代表声明

ひとりの思いをみんなのOMOIに 

小動物臨床獣医師の現場は壮絶なものがある。
一線で働く獣医師たちのライフワークバランスは破綻している。
 命を扱う仕事である以上やむを得ないことではあるかもしれないが、現在そのような体制が問題視され、長年人気職種として学生たちからの人気を集めていた職業としての未来にも陰りが見え始めている。
 小動物臨床獣医師といえば過去には人気職種であり、開業すれば軒先にビルが建つと言われるほど羽振りの良い職業だった。しかしながらこの30年間で急成長を遂げたこの業種の様相は大きく変わってきた。
 30年前は、大学を卒業し、開業獣医師のもとで勤務医を経験して3~5年で開業というかたちが一般的だった。臨床獣医師はほとんどが開業を目標とし、開業してからも顧客に困ることはなかった。日本の小動物臨床は大学で十分な知識や技術を学ぶことができず、勤務医になり開業することで様々な症例にあたり、現場でそのスキルを磨いていくケースが多い。そのため、今まで自分ができなかったことができるようになり、加えて収入も増えていく、いわば成長市場の典型であった。
 高度経済成長のあおりを受けるように日本国民にも余裕があり多くの家庭で動物が飼育されたことや、高額な純血種を迎え入れる家庭が増えたのもこの業界が成長した一端であると考える。
 しかしながらバブル崩壊と共に日本の経済が衰退していく中、この業界も少なからず影響を受け始めてきた。ペットブームから多くの家庭で飼育された動物たちが歳を取り始め、現在我々の業界の収入は予防医療と高齢動物の治療費が大半を占めていると言われている。そして、経済が衰退した今の日本では動物を迎え入れる余裕がなくなり始め、徐々に動物たちの数が減少し始めている。
そんな中で小動物業界は医療的に急成長し、様々な治療や知識を多くの獣医師たちが学ぶことができるようになり、過去とは異なりその治療費は高額なものとなっている。ここ数十年で一般病院の診療単価は数千円単位で年々増え続けており、一方で高度な医療を維持するために高額な設備の導入、スタッフの確保が必須となるなど病院の運営も様変わりしてきている。つまり、経済的な衰退に伴い動物を飼育する家庭が減少していく一方で、動物を飼育することには高額な費用が必要になってきたことで日本国民の動物離れに拍車をかけている可能性がある。
 次に問題として掲げるのが動物病院の運営についてである。
高度医療化に伴い優秀な人材の確保、育成、十分な社会保障が必要になってくる。
今までは母数も少なかった動物病院だが、現在ではその数は過渡期を迎え、地域にもよるが動物病院は飽和し始め、閉業する動物病院も散見されるようになってきている。
 現在の動物病院は質も高く十分な医療を受けられる病院が多く見られるようになってきている。その反面、その病院を維持するためには優秀なスタッフの確保が必須である。そんな中で先にもあげたように動物病院業界が衰退期に入り始めていることはこれから就職を考える学生たちの中にも広まってきている。「動物病院に就職してもこれから先はない」こんな言葉が学生たちの間ではささやかれ始めている。
 実際問題として、都会の病院とは異なり、地方の動物病院では獣医師の確保が非常に困難である。そもそも自分の地元でない限りわざわざ地方に就職先を求める学生は少ない。同じレベルの動物病院むしろそれ以上の動物病院は都会にはいくらでも存在する。わざわざ田舎に就職してそのスキルを高めようと考える学生はいないのが現実だ。しかも動物病院の先すぼみが見えている今、動物病院に就職する学生自体が減少し始めている。
 動物看護師においては今業界では売り手市場にあると言われている。優秀な人材は4~5病院から就職の内定をもらい、都会の動物病院の院長がわざわざ地方の専門学校に説明会を開きに来るほど求められている。その背景には動物看護師という職業の社会的認知度の低さ、待遇の悪さ、勤務条件の過酷さなどが挙げられ、女性中心の職種であるがゆえに結婚出産を機にその業種から離れる人が多く存在し、回転率が早い。そのため人材が不足しており多くの動物病院が動物看護師の確保に頭を悩ませている。さらに高度医療化に伴いその知識や技術の熟成が求められているがそもそも長年務める動物看護師の数が少ないという現状から、業界の成長には歯止めがかかっている。法的な整備も行えておらず、大々的に医療行為を行うことができないというのも問題の一端である。動物看護師は法律上では何もできないのである、注射も打てなければ薬を作ることも本来はグレーゾーンな部分である。昨今では動物看護師の法的整備の準備が進められているが、まだその実現には至っていない。
ライフワークバランスが重視される社会で、動物病院という業界は真逆の位置にあった。
生き物を相手にしている職業であるがゆえやむをえない部分はあるが、獣医師および動物看護師の勤務形態は破綻していた。長時間の残業、深夜労働、休日出勤はこの業界では当たり前である。このような頑張りがあったからこそ今の日本の動物病院が成長し続けているという結果も存在することは事実であるだろう。
 近年は社会保障が充実化されている動物病院も数多く増え始めて、ここ10年でその待遇に関しては大きく改善されている。それゆえに歪みも生じ始めている。
 社会保障が充実化する中で個人事業主の動物病院ではよりスタッフの確保が困難になっている、そして待遇を整備した動物病院ではスタッフの確保だけでなくその経営業務に院長が追われ、会社を維持するためにいくつものわらじを履きながら経営している。中小企業であるがゆえに社会保障をたてに反発を起こすスタッフも存在し、専門家ではない院長たちが頭を悩ませる事例も存在している。医療に従事するべき動物病院がその病院を運営するために売上を上げるために医療とは異なる場で収益を求める場面も散見される。このような動きは小動物医療の質を落とす一端にもなっている。
小動物獣医療の社会的意義に関しても考える必要がある。
小動物医療は動物を飼育している人たち以外に影響を与えることは少ない職種である。社会的存在意義のある業種というのは人の生活にどれだけの影響を与えるかによって定められているのかもしれない。私たちの仕事の中で動物を飼育していない人たちに影響を与えるものといえば狂犬病など人獣共通感染症ぐらいのものである。私たちが社会的意義のある存在になるためにはそこに何か存在意義を見出さなくてはならない。これだけ市場が拡大している中でこれらのことを考え行動することは責務であり、より社会を良くするために小動物業界で何ができるかを一丸となり見出す必要がある。小動物業界は急成長を遂げ、様々な問題に直面している。このまま衰退期に入るのか新しいものを見出してさらなる成長を遂げるかはこれからの小動物業界に携わる私たちにかかっている。
動物飼育数を増やすためには、動物を飼育するためのハードルを
下げることも必要だが、動物と生活する豊かさを伝えていかなければならない。
経済的な部分で生体販売量を安くするとか医療費を安くするといったことだけでは問題は解決しない。動物に安心して文化的な生活を送らせるためには最低限の経済面は必要だし、その子が豊かに生活するために時間や手間がかかることを私たちはきちんと伝えていかなければならない。その中で、動物と生活することで生まれるメリットを適確に伝えていくことが必要である。高齢化社会の中で自分の将来を考えるともう動物を飼育することができないと考える飼い主さんも多く存在する。そのような方々はむしろ優良な飼い主さんであることが多く、臨床現場でそのような飼い主さんを見るたびに、こういう飼い主さんに飼ってもらった動物たちは幸せだろうな、もう飼わないなんてもったいないなと思うことも多々ある。そのような方たちが、自分たちがもう飼育することができないと判断した時に次の良い飼い主さんへとバトンタッチできるようなシステムが今後必要ではないかと考える。高齢者が動物を飼うことでそこには生活のリズムが生まれ、会話ができ笑顔が生まれる。それは、動物にとってもいいことであるし、人間の生活においてもとても豊かなことである。人は一人では生きていけないからその中のパートナーの一人として動物はとても重要な意味を持つのではないかと考える。そして、子供達の教育においても動物と生活するということで違う視点を持つことができる。時には友人のような存在になり、ときには兄弟のような存在になる。動物たちが亡くなるときに、命がついえる瞬間を目の当たりにすることもある。生命には終わりがあることを知ることで命の大切さを身にしみて体験することになる。昨今のように繋がりが薄れていく現代の中で動物と生活することで命と関わることはこれからの私たちにとって重要な経験になるのではないかと考える。つまり、私たちはこのように命ある動物とともに生活することの大切さを伝え、生活する基盤を整える方法を模索して行く必要性がある。動物にとっても人にとってもよい環境作りを考えていく必要がある。
そして、その動物を診療する獣医師や動物看護師の立場も確立していかなくてはならない。
社会保障を整え、人間らしい生活を送ることができるような体制を整えることは大切である。ただ、獣医師や動物看護師という仕事は並大抵の努力では一人前にはなれない。きちんとした診療を行うためには勉強をし、技術を磨き、多くの経験をすることは責務である。それをないがしろにしてライフワークバランスだの何だのいうことはお門違いである。一端の知識と技術を身につけるためにはそれ相応の努力が必要である。そして、それを身につけるためにはどうしても時間がかかることを認識しなければならない。その上で充実した生活が送れるような勤務形態を整えていかなければならない。
高度医療化が進み、最近では専門医も増えてきており分業化の波も始まっている。
獣医療のレベルが個の力では太刀打ちできないぐらいに上がってきているのである。そのため私たちは肩を組んで協力していき、動物たちにより安心で新しく的確な医療を提供できる体制を整えていかなくてはならない。
 夜間診療の設立、高度医療の分業化、個人病院の負担軽減、院長の経営からの離脱、これらのことを行うことで個人の負担を減らすことができ、集中すべきところに集中する環境作りを行うことができる。そして、事業継承においても地区単位でその動物病院の継承者を育成し、既存の動物病院を継承してもらうことで、動物病院の飽和化にも歯止めをかけることができ、地域として動物病院のレベルを保つことにもつながる。
 つまり地域の動物病院で肩を組むことで、バランスをとること、新しいことに挑戦すること、その地域の医療を守ることができる。
今私たちに必要なのは、地域レベルでの就労の現場作りと医療体制の整備であると考える。
そして、私たちの業界が人の社会に影響を与えうるかに関しては医療面と生活面の二点があると考える。
 医療面においては、高度医療だけでなく日々の診療の中でもデータを蓄積し今まで行われてきたように様々な研究を行うことでその幅は広がっていく。人医療との連携も近年では始まり、one healthという人と動物の健康を維持するための考え方が世界的にも広まり始めている。獣医と医師がともに協力し様々な課題に取り組むことで動物と人がより健康に生活するため様々な施策が行われている。医療に従事する者として互いに協力し合い情報交換をしお互いに生かせる部分を活用していく必要がある。そして、それは世界レベルや日本レベルだけでなく地域レベルで行うことでもより密接な情報交換や知識の共有ができるのではないかと考える。
 生活面においては、動物と暮らすことで人間の生活にどのような影響をもたらすことができるかを考える必要がある。暮らしが豊かになるだけではなく、アニマルセラピーや介助犬など様々な場面で動物が人の生活に影響を与えることができる可能性はある。それらの施策を地域レベルでも積極的に取り組むことで人と動物が豊かに暮らすことのできる地域を作り出すことができるのではないだろうか。
私たちはこのようなオモイをカタチにするためにOMOI 株式会社を設立した。
様々な問題に直面しつつある小動物医療業界を地域から盛り上げ、日本そして全国へとその意思を掲げ浸透させることで地域からの底上げを行い、やがては私たちのOMOIが世界に影響を与えるようなきっかけになればと考える。
OMOI 代表 大石 太郎

ビジョン

OMOIは、2018年3月1日にOMOI 株式会社を設立、
会の発足から足かけ2年の歳月を経て法人化を実現しました。
僕たちにとって、これからの10年は、思いを「かなえる」10年です。
3年以内にこれを、5年をめどにあれを、
そんな絶対にかなえたいOMOIがあるから、みんなで突っ走っていきます。
10年後に全員でまた「オリャーッ」と次のステージへジャンプできるように…